そんなこと、もう知ってる。

俺の部屋に入るなり、毎日の行為によって慣れた動きで


ベッドの上に座る華恋。


彼女は早速話題をこちらに切り出した。


「ごめんね、お兄」


「...謝らなくていいよ」


帰って来て、と


送ったメールに大きな理由がないのは、知っている。


だからといって、小さな理由ならあるのかと聞かれても答えることはできない。


「あれ、"絶対"って条件なかったじゃん」


「うん。無茶なお願いされたときの、お兄の反応みたかった。...って、私にしては立派な口実つくって、ほんとはね、寂しかった。怖かった。それだけ」


何もない空間に、切なく響く声。


「でも、お兄なら私のところに来てくれるって信じてたんだ」


君の全てを...抱きしめてやりたい。


小さくて可愛げな心の内を話してくれる、愛しい彼女を。


俺は華恋の隣に、そっと腰掛けた。