正直、好きではない彼女ではある。


ほんとはデートなんてめんどくさいことしちゃったなって思ってる。


だけど、これが正しい現実の見方。


華恋。


妹と、直ちゃんみたいな関係になれたらいいなって思う。


でもそれは、間違ってる。


俺は、それを、知ってる。


今からしようとしていることが正解。


妹との深い関係は、望んではいけない。





「......和也くん」


何をするでもなく約束の場所で佇んでた俺のもとに、女性の声がかけられる。


うつむいてた先に見えるのは、俺が待ってた彼女のであろう足元。


顔を上げた。


「おはよ」


寒さで頬を赤くした直ちゃんに、笑いかけた。