んな可愛い真似すんなよ。


そんな顔して、そんなことばかっかし俺に聞いて。


「やきもちやいてるんだろ?」


「えっ!?違う違うっ!!やきもちじゃないからっ!!」


床に落としていた視線を素早くこちらに向けて、


顔を真っ赤にさせ、俺の行ったことを否定する華恋。


「お兄にやきもちやくわけ......っ」


華恋の唇を塞いだ。


母さんや父さんが家にいたからじゃない。


だって今家にいないし。


「...あるでしょ?」


華恋は体を停止すると、耳までも紅潮させこくりと首を上下させる。


「黙って帰って来るの待ってろよ。早く帰ってこれるようにすっから」


待ち合わせの時間が迫ってる。


華恋の頭をポンポンと撫でて、家を出た。





あと15分。


特に急ぐわけでもなく、


待ち合わせ場所に歩いてく。