わかってくれた。


「だけど、これだけは言わせて...?」


言いたいことなのならば。


言ったほうがいいんなら。


「...言っていいけど」


強い瞳で俺を見つめる。


この子は、真実しか言わないのだろう。


「お兄のことしか、好きじゃない」


掴んで下ろされた華恋の膝の上。


華恋は手首を握ってたけど、次第に握ってた手が動いてきて


ついには俺の手に辿り着く。


力を入れて握ってくれた君の手は、離さまいと言っていた。


「彼女の設定だよ、私」


「俺も。言われてみればそんな気持ちでいる」


あー...だからか。


華恋がショック受ける資格ないって言ったのは。


"お互い様"。