報告しようとしたタイミングまで同じ。


...なんだよそれ、しにかなんねぇよ。


「お兄と同じ」


てことは本当の話なのか。


信じたくなくて言葉を失いかける。


「お兄、そんな顔しないでよ」


そんな顔してるのかわかんないけど、


華恋は安心させるように笑いかけてくれた。


立場が逆になってしまっている。


彼女が出来たって言われて、平気な顔してる華恋。


彼氏ができたって聞いて、ショック受けてる俺。


華恋は、ショックうける資格がないとまで言っていた。


相手を安心させるのは、男の役目だよ。


「私、本音言うと、彼氏のこと好きじゃないの。


たったのこれっぽっちも」


華恋の指先で示されたこれっぽっち。


親指と人差し指のせますぎる隙間が、


こいつの気持ちを示しているのもだ。