「か、かの...かの............か、か...っ彼女?」


わざとらしくも思える反応。


これがわざとじゃないんだよな。


「なんだよ」


「お兄、彼女できたの?」


だからどうしたんだよ。


華恋は意味がわかんないと言わんばかりに両手で頭を抱えた。


頭を抱えてるのがアホらしくておかしい。


だけどそのあと、納得したように笑って顔を上げた。


「彼女できたって、そういうことね。


わかった、おめでとう、お兄」


そういうことねって言うお前のほうが意味わかんねぇよ。


と、胸の内で華恋にツッコむ。


「...なぁ。ショックうけたりとかしないの?」


「私がこれでショック受ける資格ないもん」


これは、俺が狂ってるからっていうだけの話。


"お兄"って、"彼女"って、ただその2文字を


噛み噛みで言ったとき、ほんとは少し、安心した。


焦ってくれてるんだとわかって。


でも、笑顔でおめでとうと言われたくなかった。