そんなこと、もう知ってる。




「俺さ」


「私ね」


12月20日。


午後10時30分。


彼女ができれから、20日が過ぎていた。


華恋を部屋に呼んで、早速始めようとした話。


タイミングを合わせたんじゃないのに、


ぴったりと声が重なった。


「お兄、先に話していいよ。話すことあるなら」


2人、隣同士でベッドに座る。


声が重なったから、てっきり華恋は1人で


爆笑するのかと思いきや、声のトーンも変えずにいた。


俺も、笑いそうになんてならなかった。


「...いいの?」


「うん。私のことは後回しにして」


華恋はこういうやつ。