直ちゃんは、俺の中で、華恋の存在を消すことはできない。


好きな人はいる。


もちろん、華恋。


いる?って聞かれて、いると答えることはできる。


でも、誰?って質問を伸ばされるのが嫌。


直ちゃんは、俺が"華恋"って行ったら、俺の妹だってわかるから。


「いないよ」


妹以外だったら、好きな人はどこにもいない。


呼吸を落ち着けた直ちゃんはふうっと深呼吸した。


「...付き合ってください」


うつむきがちに、頬を赤くして、照れる様子を見せて、声の大きさを、


心無しか小さくして...


そこらの男は、告白するときのこういう


女の子の姿を可愛いと思ってしまうのだろう。


俺には、可愛いと思えない。