ふと思いついたことを、笑い声を交えながら言う。


「整形してないし」


けど俺の軽い冗談はあっさりとどこかへ流された。


どうやら本気で自分の変わったところに気付いてほしいらしい。


俺も本気で探してみた。


でもさ。


こいつ何も変わってねぇじゃん。


この間のメイクをしたときくらいしか、俺は華恋の変化に気付かなかった。


「毎日見てるから、気付かないよね」


「ごめん、わかんねぇ」


ため息混じりな華恋に申し訳なくなって、直感的に謝罪する。


華恋の何が変わったのか。


見つけたくて、自分の目で華恋を探る。


「いいんだよ、謝んなくて」


妹の本当の優しさか、それとも怒りたちを含んだ心を


偽りの優しさで包んでいるのか、


華恋は怒った様子をちっとも見せないで微笑んだ。