一番初め。


夏頃に初めてこうした時、華恋の小さな方は小刻みに震えてた。


「...あっそ」


掴んだ肩の手に力を込め、華恋の体を後ろに倒した。


枕の上に広がる長い髪。


「お兄ちゃん」


華恋の瞳を見つめる。


華恋だけずるい。


...反則だよそんなの。


友達と遊ぶときだけ綺麗になって。


「お兄」


俺の腕1本分の距離ある互いの顔。


肘を曲げ、2人の顔の間にある距離を縮めてく。


「...和也」


唇の重なる直前で華恋がそう呼ぶと、俺の唇に華恋の温かな吐息が当たった。


顔が近づくにつれて君の大きな瞳が閉ざされていく。


「バーカ」


キスしたかって思ったら俺はまだしてなくて。