そんなこと、もう知ってる。

華恋の喋り方、子供相手にしてるみたい。


「俺の返事聞いてた?」


「怒ってる」


「怒ってない」


瞬きするたびに、華恋の頬にできたまつげの影が動く。


「......この私、嫌なんでしょ?」


華恋が怒ってんじゃん。


そう言ったら面倒なことになりそうで、言葉を止めた。


「嫌じゃねぇよ」


俺、怒ってるかもしれない。


今日、喋り方がキツいかもしれない。


華恋が『怒ってる?』って俺にしつこく確かめてくる理由がわかった。


「嘘つき」


ふくらませた華恋のほっぺたをつついてやる。


「嘘じゃねぇって」


友達とでかけるというのに、こんなにも化粧をしてきれいになって外を出た華恋。