そんなこと、もう知ってる。

なのに。


なにが違う?


「あんた達、自分の布団直さないから、2人が学校行ったあと、お母さん布団直しに行ってるのよ」


「あー、うん知ってる。休みの時とかやってるの見てるし」


一度体験したなど余裕ぶってても、この母さんの話の結末は前とは違うはず。


「華恋のベッドも布団も、毎日ぐっちゃぐちゃなのに、今日だけきれいだった」


母さんの手間が1つ減ったってことだろ?


よかったじゃん。


って。


そうじゃなくて。


母さんの方から、食器のぶつかる音がする。


洗い終わった食器でも拭いて重ねてでもいるのだろう。


「昨日の朝のままだったわ、華恋の布団」


"昨日の朝のまま"に引っ掛かった。


「あいつ自分で直したんじゃねぇの?」


俺は、母さんの後ろ姿を見た。