そんなこと、もう知ってる。

親には俺たちのことを、隠そうとしているのに、母さんのデリカシーの欠片もない発言が、これと決めた思いに追い打ちをかける。


「和也、昨日の夜何してた?」


たまたま母さんと2人、リビングにいた俺。


華恋は友だちと遊ぶから、夜遅くに帰ると言っていた。


ついこの間も聞いたことのある質問に、嫌な予感が巡る。


"夜"って言ったから華恋絡みか。


一度体験した焦りだ。


母さんになら、ごまかしはきく。


「昨日の夜も華恋に勉強教えてやってた」


夜のことといえば華恋のこと。


宿題やら勉強やらを教えてたと言っとけば、多少は納得してくれる。


「んー、それはいいんだけどさ」


軽くスルーされたことに胸が脈を打つ。


でも俺は、ほんとはテレビに集中してるフリして、平然を装う。


「昨日の夜、華恋いたよね?」