そんなこと、もう知ってる。

俺の部屋を出て、電気の付いていない廊下に出る。


そして、


「おやすみっ」


と、大きな声を出した。


「静かにしとけ?」


父さんは、母さんと違って口数が少なくて、父親なのに考えていることがわからない。


仕事のせいか、感が鋭い。


ありえないことでも考えてしまうことができるだろう。


俺達は、母さんよりも、父さんに警戒したほうがいい。


「おやすみ」


華恋は声を小さくして、1日の最後の挨拶を言い直し、部屋に戻った。


「......おやすみ」


君のところには届かない声を、静かにあげた。





華恋は、"1人の女としてお兄が好き"と、言葉を繋げた。


その言葉に俺は"恋愛感情"からの『好き』と、華恋の気持ちを受け止めた。


だけど、後々疑問になる。


"1人の女として"人を好きになるのは、"恋愛感情"だけなのかと。