そんなこと、もう知ってる。

「あのね」


何があって大音量の声なのか。


母さんは機嫌良さそうに部屋に入ってきた。


「かあさ.........」


俺が見た人物に声を止める。


「...華恋じゃん」


「何?お母さんだと思ったの?」


「声似てるし」


華恋は、ベッドに腰かける俺に笑いかけた。


「うそ?まぁ、嬉しくも悲しくもないんだけど」


笑いを苦笑いに変えられる。


「で、声でかすぎ。父さんいるんだぞ?」


「すいません...」


俺の向かいの部屋では父さんが寝てる。


いつも忙しく仕事している父さんを、夜はゆっくり寝かせてやろうという良心を口実に、静かにして俺と華恋の関係を疑われないようにしている。