「なーんつって」


真剣な面持ちが一変、華恋は椅子の上で体育座りをしたまま、ゲラゲラと声を上げて笑った。


華恋の本気と冗談の見分けがつかなくて、俺は黙り込む。


「私、寝るね」


と言ってテンポ良く椅子を降り、ちょこちょこと歩いてドアの前まで来ると、それを開けて部屋を出た。


「...え、寝んの?」


「あと少ししたら明日になるよ?」


「ん、だな」


部屋の入口のそばまで来て、華恋の見送りにつく。


華恋は眠たそうに大きなあくびをして目をこすった。