今日は、数週間ぶりに、家族全員が揃った。


家族4人の夕食の中、前触れもなく母さんが話題を出す。


「華恋、昨日の夜なにしてた?」


華恋1人の問題なら俺にはどうでもいいこととなる。


だが、華恋の夜について聞かれるとなると、俺も少なからずは関係してくる。


兄妹の秘密の中、うっかり俺は箸を動かす手を止めてしまった。


「...え......?」


動揺しちゃだめな場面なのに、華恋も手を止めた。


母さんの言葉に即座な反応をした俺達。


おかしく思われていないことを望み、俺は何もなかったかのように再び箸を動かし始めた。


「昨日の夜の9時半頃...だから、華恋が自分の部屋戻った後かな?」


「...っ...うん」


華恋は止まった箸を、2度目に動かすことはできないそうで、手を動かさずに固まったまま母さんの話を聞いていた。


そりゃそうだろう。