そんなこと、もう知ってる。

行為の中、ずっと互いの体を求めるわけではない。


それなりの会話も交わす。


「お兄ちゃんって呼ぶの、やめにしよっか」


軽い休息としての会話。


初めと変わらない体勢で、華恋にお願いした。


「なんで?」


俺の言ったことの意味がわかってない君は、そうして聞くだろうと、だいたいの予想がついていた。


「お兄ちゃんって呼ばれると悪いことしてるみたいじゃん?」


華恋と関係を持ち始めた時も思った。


実際に自分が立っている地位での呼ばれ方。


  お兄ちゃん


「...お兄ちゃんって呼んじゃだめなの?」


華恋は、赤い唇を動かして話す。


しているわけじゃないのに、強調しているように見えてくる君の唇。


「ベッドの中では絶対だめ」


「ベッドの中でだけ?別の時は?」


「別の時はお兄ちゃんって呼んでもいいけど」


この呼ばれ方が嫌なのではない。