友達との会話の中、帰りたくて仕方なかった。


華恋に会いたくなった。


今帰っても、華恋は学校だと、わかっているのに。


子供みたいに、逸る想いが湧いてきた。





「ただいま」


どんなに早く帰りたくても、学校でやることは済ませてかたじゃ帰れなくて、普通通りに家に帰ってきた。


俺が床に一言落とすと、リビングから足音が聞こえた。


しかも、歩いてるんじゃなくて、走ってる。


「おかえりっ」


リビングの方から出てきたのは、華恋だった。


上手に俺の前で足を止めて、ニカッと白い歯を見せる。


「おいっ...静かにしないと母さんに...」


「はい。心配無用っ今日、まだお母さん帰ってきてないし」


帰ってきたばかりなのか、制服姿の華恋。


玄関を見れば、華恋の言ってることは正しいようだ。