犯人捜し四日目、
根も葉もない噂が
流れ出してから五日目。

今だに犯人は見つからない。

それにしてもおかしい……

五日も経っているのに
何故犯人が見つからない?

少し焦りだした俺。

まさか、末島も犯人捜しを
して居たなんて
まったく知らなかった。

そんな俺達に
呼び出しがかかった……

それは、校長からだった。

〔二年三組、末島さん・木野下先生は、
校長室までくるように〕

そんな放送が校内に流れた。

この言い方じゃまるで俺達が
本当に付き合ってる
みたいじゃないか。

クソ校長め‼

心の中で悪態を着いた所で
どぉしようもない。

はぁ〜行くのが憂鬱だ。

これで益々、
噂が誇張されて
行くであろう。

噂される側の気持ちも
考えろって話だ。

校長室に行く途中で
末島と会った。

「先生、今の放送
聞きましたか?」

「あぁ」

「あれじゃ、僕達が
いかにも付き合ってる
みたいな言い方ですよね」

呆れ声で未島が言った。

「まったくだよな。」

「どっから、こんな噂が
広まったんでしょうか?」

俺も知りたいぜ。

「俺にも分からん」

憂鬱な気持ちを押さえ、
末島と二人で校長室の
ドアをノックした。

コンコン。

「誰かね?」

自分で呼び出しといてこれだ。


「木野下と末島です」

まったく。

「入りたまえ」


「「失礼します」」


「呼び出したのは、
他でもない。
今、学校中に
広まっている噂の件についてだ」

「校長先生、それは
根も葉もない噂に過ぎません」

言いがかりもいいとこだ……

「実際に、
その様な事は一切ありません」

「まず、末島が言い寄った
と言う噂ですが
それは無理な話です」

「俺達が一緒に
居る場所はおのずと決まってくる。

教室か教官室のどちらかですが、
まず教室ではむりでしょう。

次に教官室ですが、末島はいつも
二人以上で来ますのでやはり無理です」

「それに、末島が俺に対して
好意を抱いてるとも思えません。」

もしも、未島が
俺に好意を
持っていたなら
こんなに、淡々と
してはいはいはずだ。

「そぉだろ末島?」

「先生の言う通り、
僕は先生に特別な好意を
抱いていません。」

やっぱりな。

「聞き返しますが、
先生だって僕に対して
好意などお持ちでない」

「そうでしょ?」

「当たり前だ」

「校長先生、これで
お分かりになっていただけましたか?」

迷惑極まりない話しだ。

「俺達はお互いに
特別な好意は抱いていない。」

「確認するが、二人は
そう言った噂に
なるような事をしたのかね?」

「いいえ。
そのようなことは一切してません」

「末島くんもかね?」

「はい。勿論です」