校長室での一件から三日。

先生と二人。

犯人捜しを始めて、
三日目にして漸く
ついに犯人らしき人物を見つけた。

しかし、それは意外な人物だった。

むしろ有り得ない人物だ。

しかも、そんな噂を流したら
バレた時に自分が不利なんじゃ?

しかも、先生に
嫌われる可能性だってある。

その犯人の正体は、
何と教頭先生だった‼

仮にも教師がそんな事
して良いのだろうか?

隣に居る先生を見ると
怒りで震えていた。

きっと今すぐにでも
怒鳴りたい
気持ちなんだろうけど
なんせ、相手は
仮にも教頭。

うちの学校の教頭は
四十代の女教頭。

それこそ、
良い噂を聞かない事で
ちょっと有名だ った。

四十代だが、見た目は
二十代でも通りそうだ。

自分でも〔永遠の二十歳〕
なんて言ってるくらいだ。

その見た目で以外と
男子生徒を誑かしたと言う
噂も聞いた事もある。

彼女はやはり、先生が好きで
僕が悪者にしたかたったみたいだ。

そして、先生を
慰めたかったらしい。

全く馬鹿げた話である。

いくら、僕と先生の
仲が良いからって。

だから、僕が
先生に 言い寄ったなんて
噂を流した訳か。

つまり、僕達に
好意がある人じゃなく
僕を嫌ってる人だったって訳だ。

「教頭先生、貴女は
一体何がしたかったんですか?」

静かに、怒りを露(あらわ)に
しながら
先生が話し始めた。

「私は……木野下先生が
ただ好きで……」

「なら何故、こんな回りくどい
やり方をしたんですか?」

言えてる。

好きなら好きで
いくらでも
方法はあったはずだ。

「しかも、末島まで巻き込んで。」

まぁ、そこは
ちょっとどうでもいい。

「そ、それは……」

言葉が続かない教頭。

そこで、僕が口を挟んだ。

「教頭先生は、
たまたま僕を選んだんだよ。
しいて言えば、誰でも良かった。
だけど、いつも教官室に
行く僕が
一番使いやすかった」

「そうでしょ? 教頭先生」

まだまだ、僕はしゃべり続ける。

「僕が、先生に言い寄ったって、
言いふらしたのは
主に女子や女子教員。」

「そぉ言えば、教頭先生に
加勢してくれると思ったからでしょ?
そして、それはみごとに成功した。」

「先生、女子教員達から
哀れみの目で見られませんでしたか?」

突然話を振ったので
キョトンとしてる先生。

「そぉ言えば、五日目の日に
職員室に行ったら
何かそんな感じの目で見られた。」

「見事に僕を悪者に出来た訳だ。」

「はぁ~
俺は貴女の気持ちに
答えられないが
こんなやり方をしても、
俺は振り向かない。

ましてや、大事な生徒を
悪役にしようなんて……
この事は、校長に
言わせてもらう。
末島行くぞ。」

「あ、はい」

方法さえ間違えなければ、
木野下先生も
振り向いたかも
しれなかったのにね。

歩き出した先生の後を
僕は早歩きで着いていく。

「先生、待ってよ」

「ったく。遅いんだよ」

そう言って僕の手を握った。

その時教頭先生が叫ぶように言った。


「木野下先生、
そういう行動が、
私を嫉妬させるんですよ」と。


「あの時も、そぉやって
末島さんには
特別優しくして‼」