このドアを開ければ、私は解放される------

そう思った。

あの暴力と暴言の嵐から解放される、と。


「村松さん?居ないんですか?」


でも、玄関にたどり着いてもドアを開けれなかった。

別に恐怖が私を襲った。

これで母親が逮捕されたら、母親は私を心底また恨む。

そしていつしか復讐されるんじゃないか。

そう考えている内に再び意識が遠のき始めてきた。


「私、死ぬんや…」


そう呟いた私はそのまま倒れこんだ-------。