とてとて・・・
小さな羽根を生やした天使が書類を両手で抱えて回廊を走っている。
天使の名はエティル。
ジブリールを慕う下級天使の少女だ。
ジブリールもエティルをとても可愛がっており、簡単な仕事等はエティルに頼んでいる。
下級天使が上級天使の、それも4大天使の傍にいる事など滅多にある事ではないのだが。
一つの部屋に着くと、コンコンとノックをした。
「ジブリール様?書類お持ちしました!」
と、元気よく言ったものの中から返事はない。
「あれ?」
もう一度ノックをするもやっぱり返事はなかった。
「どこに行かれたんだろ?」
きゅっと書類を握りしめると、ジブリールを探しに行こうと踵を返した。


