「・・・スイ?」
目の前でおこった光景に頭がついていかない。
「アゼ・・・」
伸ばした手がアゼルに届く事はなく、スイはその場に崩れおちた。
「スイ!!!」
嘘だ・・
こんな・・・・
「うわわわわあああぁぁ!!」
それは慟哭の叫びだった。
瞬間アゼルの周りに黒い風が吹き、アゼルは持てる全ての力を解放した。
「アゼ・・・だ・・め・・・」
アゼルの背には────漆黒の翼が生えていた。
スイの瞳から涙が零れる。
そしてその瞳は二度と光りを映す事はなかった。
アゼルはゆらりとその視線と殺気をメタトロンにむけた。
メタトロンは楽しそうに笑みをたたえている。
セラフィム軍に、メタトロンに敵わない事などわかっていた────‥‥


