「そんなことよりお前の処分どうしよっか?」
ぴくりとアゼルの肩が揺れる。
自分は覚悟は出来ている。
けれど、スイだけは・・・・
「まさかお前、見逃して貰えるとでも思った?人間なんか好きになっちゃったのに。これは大罪だよ?」
メタトロンはどこか楽しげに言葉を投げている。
でも瞳の鋭さは失わずにアゼルを捕えていた。
「自分は罰は受けます!だから、スイだけは見逃して下さい!これは自分の一方的な想いで、彼女は何も悪くない!!」
アゼルはスイを離し、メタトロンに向き直った。
「アゼル!?」
スイはアゼルに縋りつこうとしたが、アゼルの背中がそれを拒否していた。
けれど、アゼルだけが罰を受けるなど絶対に嫌だ。
この想いはアゼルの一方的な想いなどではないのだから。
どうして・・
ただ、好きになっただけなのに・・・・。
「・・・だからさ、そんな事はどうでもいいよ」
つまらないと言いたげなメタトロンの声が響く。
「とりあえずお前の事はマティに連れてくよ。抵抗するなら殺すけど?」
アゼルは一瞬振り返り、柔らかい微笑みをスイに向けるとメタトロンの元へとゆっくり歩いて行った。
「アゼ・・ル」
このままではアゼルが行ってしまう・・・
スイはアゼルを追うように足を一歩踏み出した。
そして
スイが最後に目にしたのは漆黒の天使だった─────‥‥


