エデン


その日の夜、あたしは窓からカイの部屋に目をやった。

明りが点いている。

どうやら帰っては来てるみたいだ。

ホッと息をつくと、カーテンを閉めて布団の中へと入った。

隣の布団では、ユウキが既に穏やかな寝息を立てている。



────サクヤ‥カイの事お願いね



昔、セラとカイを合わせたのは自分だった。

二人が惹かれて行くのは目に見えてわかった。

‥‥だから言えなかった。

セラとカイを合わせたのは、セラにだけは伝えたかったから‥‥

一つ年上の従兄妹、こいつがあたしの好きな奴なんだって。


あの時、はっきり言っていれば何かが変わってたかも‥なんてな。


────サクヤ‥ごめんね。ずっと‥ごめんね‥‥


お前、あたしの気持ちに気づいてたのか?

でもな、カイはお前じゃないとだめなんだ。

誰もセラの変わりにはなれない────‥‥