エデン


「あ‥‥あの‥?」

戸を開けたのは見知らぬ三人組の男だった。

ヒカルは一歩後ずさって男達を見上げる。

そんなヒカルを無視するかの様に男達は部屋の中へと入って来た。

「‥‥お前、コイツの妹か?」

布団の傍にあるフォトフレームに気がついた男が鋭い視線をヒカルに向けた。

「タケルちゃ‥‥兄の事を知ってるんですか!?」

一瞬、兄の知り合いかと思い息をつくが、彼らが自分に向ける視線はそんな生易し物ではない。

ヒカルはまた一歩あとずさった。

「知り合い?」

男は馬鹿にしたように鼻で笑う。

「‥‥ふざけんなっ!俺には泥棒の知り合いなんかいねーよ」

「え?」

「あの小僧に何度うちのもん盗まれたか!!」

男はそう吐き捨てると、フォトフレームを投げつけた。

パリンとフレームの割れる音が、どこか遠く聞こえる。

「‥‥嘘よ!タケルちゃんは人の物盗んだりなんかしないわ!!」