商店街はいつも以上に賑わっていた。
子供が母親におねだりしてたり、腕組んで歩いてるカップルや家族づれの姿も多い。
そうか、今日は休日だったっけ。
何だかまぬけな風景だな。
この国は表と裏じゃこんなにも違う。
昔はおれ達だって‥‥
そう思いながら頭を振った。
違う。
昔なんて今更思ったって仕方がない。
そんな事より、ヒカルに美味いもん食わせてやりたいな‥‥。
おれは辺りを見渡した。
こうしていつも物色している。
でもいつか、こんな事をしなくてもヒカルを食わせてけるようになりたい。
昔みたいにちゃんとした家に住んで、あったかいもん食わせてやりたい。
ヒカルの病気だって‥‥
早く、大人になりてぇな‥‥‥
そうすれば、今よりもヒカルを護ってやれる。
おれは拳に力を入れた。
子供の自分がなんだか情けなかった。


