一人の少年が森の中を駆けている。

少年はハァハァと肩で息をしながら森の中にある一軒家の前でとまった。

「おじいちゃん!またお話聞かせて!!」

少年は家の扉を勢いよく開けた。

部屋では老人が一人、椅子に座って茶をすすっている。

少年は部屋に入るなり老人の隣の椅子に腰をかけキラキラとした眼差しで老人を見つめた。

「そうじゃのぅ。今日は天使様の話しをしてやろう」

老人は湯のみをテーブルに置くと、ゆっくりとした口調で話しをし始めた。

「天使様?」

「昔はこの世界に神様や天使様が存在したんじゃ」

老人は少年を見てやんわりと微笑む。



「天使様達がこの世界を見守って下さっていた‥‥。この世界‥エデンが出来る遥か昔の物語じゃ────‥‥」