「佐倉、お前…」

「~~だから、何だよ!」

「その女のこと、好きだろ」


「…………は?誰が何を?」

「佐倉が、あの女を」

俺が、あの子を?

…好き?

気になる。
触れたい。
知りたい。
知ってほしい。

―『好き』


「そ、それだッ!」

今まで、何であんなにあの子が気になるのか解らなかった。
ずっと目で追っていて、笑った顔をもう一度見たいと思っていた。

話したい。
もっと見ていたい。
もっと知りたい。
声を聴きたい。

納得する想い。

そうか…好きだったのか…!



「無自覚だったのかよ。たち悪ィ」

「…由生って初恋とかなかった人?」

「いや、小学生の時にあった」

「…もしかして、隣のクラスの葉山さんフッたのって、あの子が好きだから?」

思い出すのは、告られているのにあの女の子のことを考えていた俺。

「…そうかも」


好き。
ならこの想いを伝えれば…い…、フラれたらどうしよう。
心臓が高鳴ってくる。
あれ?俺、ヘタレ?

あ、ヤバい。
キスした時のこととか今更思い出してきた…。
顔が赤くなる。

…ん?
キス?