キス、しちまいました

「…えっと、その」

どうするんだ俺。何してるんだ俺。寧ろ何やらかしてるんだ俺。

少女はこっちを見ている。

春も篤も見ている。
店員とかその他は省略。


何か、言え。
「―っ」
言えよ、言えって。
弁解でも言い訳でも何でも良いから早く、早く…!


「―ぁ、っゴメン!!」
フリーズしたままの少女を置いて、他人様の好奇の目を振り切り、春と篤を横切って、


「―ぁああああ!!」


コンビニから、逃走した。
うわぁ俺こんなに速く走れたんだね青春だね青しゅ「ぅわああああああ゙あ゙あ゙」





一時間目は自習だった。
古典の村山がまた腰痛で来れなくなったとか。

いつもなら喜んで遊んだり喋ったりするところだが、如何せん今の俺にとっては受け入れがたい状況でありまして。


「んでー?そろそろ説明欲しいんだケド、由生クン?」
「佐倉。…そろそろ観念しやがれ」

自習で皆好き勝手やっている教室の隅っこで、春と篤に囲まれている、俺。

端から見たら苛めに見えるんじゃないかこれ。
先生呼ばれたらどうすんだいや寧ろ誰か呼んで来て下さいお願いします。