「雨の日って、客足少ないっすよねー」
「・・・まあな」
カウンターから退屈そうに窓の外を眺める少年賢治に、そう小さく返事をする。
俺がテーブルを拭いていると、突然少年賢治が「あ!」と叫んだ。
今度は何だ、とカウンターの方へ行くと、少年賢治は壁に飾られた一枚の写真を見ていた。
「何だよ?」
「この子!この子俺知ってるんすよ!」
「え?」
俺の動きが止まる。
少年賢治が指差したのは、ユイだったから。
「おま・・・それ本当か」
「まあ何か雰囲気違う気もしますけど、半年前まで俺の高校に居ましたよ」
半年前・・・ユイと俺が会った頃?
「何だっけな、名前思い出せないんですけど・・・確か下は・・・」
「ユイ?」
「あ、そうそう!ユイっすよ!あれ何で知ってるんですか?」
やっぱりユイなのか・・・
「でもこいつ、半年前にー・・・」
「!!」

