「ーユイっ」



いつもユイを見送るコンビニの近く。



誰も居ない公園の花壇の側に、小さな肩が見えた。

何故だか分からないけど、俺はすぐにそれがユイだと分かったんだ。




「ユイっ、お前何してっ・・・」






全身が凍りついた。





ユイが花壇に肘をついて、意識を失ったまま倒れていたからだ。


慌てて抱き上げると、もう何時間も雨にさらされていたのか、酷く身体が冷たくなっていた。


「ユイ、おい!しっかりしろユイ!」


何度も名前を呼んだ。


「ユイ!目開けろ!」



「・・・そ・・」


すると薄っすらとユイの瞼が開いた。


「ユイ!大丈夫か!」

「そ・・・う・・・なん・・・で」


「何でじゃねぇよ!こんなとこで、俺が来なかったらお前どうなってたか・・・!」


「ごめ・・・」




また何かを言おうとして、俺の動きが止まった。




濡れて透けたワンピースの奥に、無数の青い痣が見えたから。




「・・・」

「いいから、寝てろ」



それを隠すように上着を着せて、俺はユイをおんぶした。