「ユイちゃん、遅いね」
さっきからもう4杯目のコーヒーを飲み干そうとしている。
マスターが窓の外を見ながらため息混じりに呟いた言葉に、少しだけ不安が胸を過ぎった。
きっと準備か何かに手間取ってるんだ。
そう自分に言い聞かせないと、今にも俺はこの店を飛び出してしまうだろう。
駄目だ、待って居なきゃ。
必要以上にユイの中に踏み込んではいけないと、薄々気付いてた。
だから俺は、此処で、待って居なきゃいけないんだ。
ユイは、来るはずだ。
ごめんね、寂しかった?なんて冗談混じりに、笑ってくれるはずなんだ。
そうじゃないと俺は・・・

