人気の無い道を、彼と相合傘をして歩く。




会話なんてものは無くて、ただただ二人の足音と雨の音が鳴り響いていた。

だけど不思議とそれが、心地良かった。




「ここで良いよ」



あたしはコンビニの前でそう言った。



彼は黙ってあたしに傘を返して来たけれど、何となく受け取りたく無かった。


関係が無くなってしまうから。




でもそんな事を言ったら、彼は困ってしまうから。






あたしも・・・辛くなるから。




「またね」と小さく笑った。あたしのワガママも込めて。

また、雨の日に。