まだ、まだだよ。 この「雨の理由」を、まだどうしても知られたくない。 お別れするのには、まだ早い。 あたしは小さく「そうだね」と返した。 もう気付いてるんだろうな。 でも黙ってこの距離感を保ってくれようとする。 「家の近くまで送る」 「・・・じゃあ、お願いしようかな、近くまで」 心が痛んだ。