「ここで良いよ」 人気の無いコンビニの前で、ユイがそう言った。 俺は黙ってユイに傘を返す。 「濡れて帰るの?」 「いや、コンビニでビニール傘でも買ってく」 俺がそう言うと、ホッとしたのかユイは俺から傘を受け取った。 「じゃあ、またね」 「ああ・・・気を付けろよ」 俺はコンビニの屋根に入って、少しずつ小さくなっていくユイの後ろ姿を見つめて居た。 ユイが言った「またね」と言う言葉に何処か安心して、俺は家路に着いた。