「また雨の日に、か?」


俺がそう言うと、ユイは少し驚いたような顔をしてから、小さく「そうだね」と呟いた。






また、雨の日に。



俺は次、いつユイに会えるんだろう。




「家の近くまで送る」


家まで、とは言わなかった。




何となくユイがそれを言わせなかった。




「・・・じゃあ、お願いしようかな、近くまで」


「・・・おう」





きっとこの距離は、誰よりもお互いが分かっていた。





会計を済ませて店を出ると、ユイがあの日と同じ様に道路を見つめて立っていた。

俺に気付くと、何も無かったかの様に笑ってこっちに来る。