傘恋愛 -カ サ レ ン ア イ-







「ユイを退いたトラックの運転手からはあたしの姿が見えなくて、他に目撃者も居なかったから、あれはユイの自殺だったって。」


「・・・・」

「あたしの両親、何て言ったと思う?」











「何でユイがこんな事になるんだ、お前が死ねば良かった。って。」


「・・・!」





あたしは最後まで愛され無かった。



存在も、生きてる事さえも否定された。





「だからユイって言ったの、同じ顔なんだから、せめてユイとして生きて、それで・・・」

「止めろ・・・」


「え?」


「もう、良いから・・・それ以上自分を苦しめる様なこと、言うな」




自分を、苦しめる?



「あたしが生きてちゃ駄目なら、ユイが生きれば良いんだよ、だってそう言うことでしょ?」


「ちがう」


「違くないよ!奏は知らないだけ、あたしには何も無い何も残ってなんか無いんだよ!!」


「そうじゃ無いだろ!!」

「・・・・」



奏はあたしを抱き締めた。



痛いぐらい、強くて、






意味も無く、涙が出そうだった。