『お姉ちゃん!風邪引くよ』
『うるさい、ついて来ないで』
双子の片割れ。
同じ顔の癖に、あたしよりも頭が良くて、性格も良くて、
あたしよりも人に愛されてた。
『お姉ちゃん、傘入って!』
その癖にこの子は、ユイは、いつもあたしの後ろを付いて回る。
あたしが見放されてる事を知って。
『うざい』
『一緒に帰ろうよ、お母さん待ってるよ、温かいシチュー作って』
『あの人が待ってるのはユイ、あんただけだよ』
そう言い捨ててスタスタと歩く。
ユイはぴょこぴょこ小走りで、あたしを傘の中に入れながら付いて来た。
『そんな事ないよ、ねぇお姉ちゃん』
同じ顔なのに。
こんなにも世界は違う。

