美味しそうなミートパスタやサラダが千夜の視界の片隅に入るが、それよりも陸の安否が気になる。
「食べる前に結論から。ここに、貴女の友人がいた可能性は低いわ。」
予想していた結果だけに、千夜はそうですかとしか返事をしなかった。
「森を隈無く探したわけではないけれど…ある人に頼んで、人がこの森にいるかを聞いたの。結論、数時間前に1人突然現れたが、それ以外に人は森に入ってない。」
「突然現れたのはあたし、ですよね?」
架凛は頷き、パスタが冷めると言って千夜にフォークを渡した。
異世界でも食事は一緒だということはありがたく、食べ慣れたパスタを次々と口に運ぶ。
(陸はご飯食べてるのかな?今、何してるのかな?)
「推測だけど、聞いてね。」
架凛は千夜の思考を遮り、笑顔のまま話し始めた。
「さっき貴女から聞いた話をまとめると、突然辺りが暗闇のところにいて、2人別々の闇に捕らわれたのよね?」
