「あの、あたしも探します!顔分かってるし、早く見つけるなら…」
「ありがとう。でも、この森はとても迷いやすいの。だから滅多に人は来ない。あぁ、あの2人は除いてね。」
すぐに真郷と緋那のことだと分かり、千夜は黙って先を聞く。
「ここにいる人間ならほぼ間違いなく貴女の友人でしょう。大丈夫、陸くんだっけ?必ず探してくるから。」
そう言って扉を閉め、架凛は階段を下って行った。
確かに、森に入って架凛の足を引っ張るわけにはいかない。
(特徴は架凛さんに事前に話してある。陸を信じよう。絶対無事でいるはずだもん。)
窓からぼんやりと外を眺めながら、千夜はゆるゆると眠りの世界に引き込まれていった。
―――…‥・
「おはよう、千夜ちゃん。」
「んん………っっ!!お、おはようございます!」
目を開けると、そこにいたのは紺色のジャケット姿の男性。
「な、何で真郷さんがここに…?」
「架凛の代わりに呼びに来た。それより、こんなとこで寝ちゃって身体痛くない?」
