まだみんなは、
車を待ってた。

「まだこやんのか?」

「全然、通らへん…」

離れた所に座ってた
ゲンがツバ吐きながら
答えよった。

「トイレあったんか?」
ゲンも
腹痛くなってたみたいや。

「その先の、
工事現場にな…

…車あるやん!!
ワシ、
車見つけたわ!!」


ゲンにババする場所と
ケツ拭くタオルを
教えたろ思たら、
あの軽四があるん
思い出した。



ワシらは急いで、
あの工事現場に向かった。


牧が運転席に座り、
ワシが助手席に座った。

ゲンとノブと高山は
後ろや。

「お前ら
何しとんねん!?

はよ乗らんかえ!!」


ワシは助手席から
後ろを指差して言うた。

「入り口ない…」

三人が声を揃えて
言いよった。


…ホンマや。
後ろのドアがない。


「ほんだら、
一番後ろが
入り口やろ!!

はよ、
あっこから乗れや!」

三人は、
「ちゃうやろ?」
みたいな顔しながら、
渋々と乗り込みよった。


ウマい事、
鍵もささってて
エンジンかかった。


「ほな、
皆さん出発
しまっせぇ〜」


牧は自慢気に
言いよった。



「ぷすッ…」

エンストや…


「ワレ、ホンマに
運転出来るんか!?」

「出来るわー」


なんとか走り出しよった。

「スゲーなぁ〜!!
牧、
やるやんけー」


ワシらは感心しながら、
タバコに火つけた。


相変わらず、
車はカクン、カクン
なっとるが…


「そやけどこの車、
ウンコ臭いな〜」

「…気のせぇやろ…」


そぉやった…
牧の前にあるタオルで
ワシ、
ケツ拭いたんやったわ…