悲しき 極道



7階から髪の長い人が、
ゆっくり下にいった…

おいおい!!



ワシはそのまま、
フェンスを乗り越えて
そのマンションに走った!

先生らは、
ワシが脱走したと思い
追いかけてきよった。



ワシはマンションの下についた。

 「…オーマイガッ!」

軽トラックの荷台に、
下半身があった…

上半身は道路にグチャっと落ちてた…


最悪や…喰うてたもん、
全部吐いた…


ワシはモロに見てもた…
体が動かんかったわ。

先生や姉ちゃんらがきて、ワシを児相まで連れて帰ってくれた。

…鼻からヤキソバが出たまま…


あの映像が頭から離れず、
3日間なんも喰えんかった。


楽しい祭りが…
最悪な結末にや…


せやけど、なんで飛び降り…

アカン、アカン。

また記憶がよみがえる…



8月の最後の日、
姉ちゃんが児相を去った。

無事、自宅に帰れるみたいや。

良かった!


姉さんの顔は、
なんとなく淋しそぉやった…