そんな志乃の
リアクションの意味が分からなくて目を丸くして首を傾げた。


そんな私の様子を見て
志乃は大きな溜め息を溢した。



「ぜってぇ言わない!」



「もぉーっ。なに怒ってるの?言ってくれなきゃ
分かんないよ」



明らかに怒ってる志乃に
私は頬を膨らませて睨んだ。


すると、
不意に頭を優しく撫でられた。



「…志乃?」


「“次の試合、勝つ”って言ったんだよ……知夏のために」



そう言って
勝ち誇った笑みを私にみせた。



知夏が聞こえなかった言葉は
恥ずかしくて、志乃は言えなかったのだった。