「駄目とは言わせませんよ」 綺麗な赤茶色の瞳が俺を見据える。 はぁ…… 俺、甘すぎる。 甘すぎるというより、俺に拒否権はないか。 「分かった…分かったから寝るときは、別々な?」 「仕方ないですね」 むくりとテルの身体が腹の上から離れる。 さらっと髪が揺れた。 ライトに照らされて、キラキラと光る髪。 あ、アレだ。 コイツの髪は、夏祭りによくある…… 金魚すくいの金魚みたいだ。 優雅に尾びれを動かしながら、屋台の光を浴びて自慢の"赤"を見せびらかす。