ありえない。



「それは先輩の願望じゃないですか? 記憶は書き換えられるんですよ。泣いた記憶はありませんし、僕」


「……そ、そこまで言われると自信なくなってくるんだけど」


「先輩の万年発情期ー! 変態ー!!」


「そ……分かったよ。テルは泣いてない」



勝った。

結局折れるのは先輩で、勝つのは僕。



でも僕が泣いてたこと……

先輩が覚えてたのはビックリだったな。


どんだけ僕のこと好きなんだよ。



ま、嫌じゃないけど。



男が泣くとかカッコ悪いでしょ?



だから、先輩♪

あのことは水に流しましょう。