“愛してる”と伝えたくて【完】






「あの」

あの時に会った、中年のおっさんが俺に話し掛けて来た。

「何ですか?」

「渡し忘れてすいません。これは、姫城さんが残したものです。多分、あなたに渡そうとしていたんじゃないでしょうか?これを、受け取ってください。」


そう言い、渡して来たストラップ。


「俺に?」

「はい」

「わざわざ、ありがとうございます」

「いえいえ。私はこれで失礼します」