ガラスのタンポポ#虹

楽、か…。


所詮オレは自分の事しか考えてないんだ。


待たれるより、他の男見つけて新しく笑う花音を見て解放されたい、オレはそこまでしか考えてやれないんだ。


「あたし、きっと待ってると思う。翔くんと奏来ちゃんがダメになるのを待ってるんじゃなくて、ちゃんと奏来ちゃんが聖ちゃんさんの隣で笑える日が来るのを。いつかそうなるでしょ?じゃなきゃ、奏来ちゃんは幸せになれないもの。奏来ちゃんが幸せじゃなきゃ、翔くんも幸せじゃないもの。ねっ?」


なぜ花音はこんなに強いんだろう。


なぜそこまで奏来を思いやるのだろう。


なぜ。


オレの幸せを願うのだろう。


オレは花音に何一つしてやれなかったのに。


「花音は…。花音はもうどこに行ってもかまわないよ」


それだけ言うのが精一杯だった。


「うん、ありがとう。じゃあ、春になったらまた…ね?」


「サヨナラ、花音」


伝えるべき最後の言葉を押し付けて、オレは花音の家を出た。