ガラスのタンポポ#虹

秋は静かに通り過ぎる。


しばらく何をどう口にしていいか迷っていたオレは、花音に何も言えず数週間が過ぎたが、今日こそはと覚悟を決めて花音ん家へ向かった。


───ピンポーン


「はぁーい」


玄関で出迎えてくれたのは、花音だった。


「翔くん…」


「ごめん、ちょっといい?」



「うん、どうぞ入って?」


2階の部屋でしばらく待つと、花音が紅茶を持って入ってきた。


「今日はママ、お出かけなの。あたしのいれた紅茶だけど、どうぞ」


「うん…」


熱い紅茶は、夏に飲んだのとは違う香りがした。